UTI UML教育研究所
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常にオープンマインドで、好奇心旺盛。積極的にコミュニケーション能力を磨く―そんなエンジニアが必要とされている。

   
日本アイ・ビー・エム株式会社
技術ソフトウエア・エンジニアリング
ICP シニア・コンサルティングITアーキテクト  榊原 彰氏
Profile
Akira Sakakibara
1986年日本アイ・ビー・エムに入社以来、SEとしてアプリケーション開発に携わる。現在は、モデリング、ソフトウエア・パターン、コンポーネントベース開発が専門分野。著書は『MDA モデル駆動アーキテクチャ』(エスアイビー・アクセス出版)など多数。

多数のプロジェクトに参画し、業界屈指のエンジニアとなる

―今の時代をどう思いますか
入社当初は、都市銀行、地方銀行、新聞社などのオンラインシステムを数多く手掛け、現在までにメインフレームからクライアントサーバー、Webシステムまで多様なプラットフォームを経験しました。言語も、PL/1からアセンブラ、そしてC++言語とさまざまなカルチャーの変遷を目の当たりにしましたね。
一貫してプロジェクトに携わることで、仕事の進め方のコツや、時間との闘い方が身に付きました。現在はサービス部隊に在籍し、品質や生産性向上のための方法論やツールを開発したりプロジェクトに適用したりしています。最近では、開発方法論など知的資産にも価値が認められ、対価が支払われるようになってきました。いい時代になったものだと思います。

―注目している技術は何ですか
"MDA"(モデル駆動型アーキテクチャ)は、体系化されており、方向性もすばらしいと思います。それに関連して、UMLなどの標準的モデリング技法もおもしろくなってきています。モデリングは私の専門分野のひとつですが、もはや開発に不可欠な存在です。MDAで作業を進めていく上で、エンジニアはモデルを鳥瞰する視点、つまり"メタモデル"への理解が必要とされますが、エンジニアには複雑なものほどやりがいを感じる習性がありますので、挑戦する価値は十分にあると思います。

―今後の課題と目標は何ですか
まずは、ソフトウエア・エンジニアリングの実践的な取り組みを極めたいですね。そして、さらに研究を重ね、その成果を摘み取ってフィードバックしていく、ということを繰り返していくつもりです。知的資産の"リユース"(再利用)には今後も注目していきたいですね。すでに研究されたものを勉強することで、"今"を極めることも可能になるわけですから。

"本質を見極める眼"を持ち、専門分野に精通したSEとなれ

―理想的なキャリアパスをどうお考えですか
まず、自分のスペシャリティを持つことが重要です。IT初心者なら、最初はオールラウンドな知識を習得し、いずれはデータベースやモデリングでは世界一、という自信が持てるようになればいい。その段階に達したら、もっと高みを目指していく。現在は、スペシャリティだけが求められがちで、その分野にのみ精通した技術者が増えています。でも、実際には単一の技術のみで仕事を続けていけるほど分業化された業界というわけでもないですから、広いスキル領域を網羅することも大変重要なことです。

―必要とされるマインドはありますか
とかくSEは多忙ですし、仕事柄四六時中ネットにアクセスするなど、いつの間にか公私混同しがちな職種です。時間は限られていますが、IT以外にも趣味を持つようにすれば仕事にプラスになることも多い。私は、なるべく土日をしっかり休むよう心がけています。できる限り時間を作って、家族と過ごし、育児をこなす。自宅では趣味でプログラムを書いたりもしますが、ジャズが好きなのでギターを弾く時間も大切にしています。大事なのは、常にオープンマインドで、なんにでも興味を持つことだと思います。また、社内や業界における積極的なコミュニケーションも重要です。"人に伝えて理解する"という、基本的なコミュニケーション能力を磨いてください。いろいろな人と会話したり、文章を書いたり、文学を読んでみるなど、方法はいろいろあると思います。

―座右の銘などお持ちですか
私のモットーは、"とにかくやってみる"ということです。考えて尻込みしているよりは、やって後悔したほうがいい。そして、本質を見極める眼を持つことも必要です。たとえば、JAVAやJ2EEによる設計なら、その意味を考えながら使ってみる。意識することが、さまざまな技術を理解する助けとなります。アーキテクチャも、なぜそのような構成なのか多面的に捉えることが肝心。技術の表層を追いかけても、いずれは廃れます。本質を知れば、手段は違っても基本は同じなんだと理解できるようになるはずです。